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  • 執筆者の写真Kaz Suzurida

パラグアイの言葉 amistad(アミスタド)=友情 英:friendship 葡:amizade

2016年7月2日

先週日曜に第二パナマ運河の開通式典が開催され、台湾の蔡英文総統が式典に出席、中国の習近平主席は早々に招待を断ったことが日本でも大きく報じられていましたが、蔡英文総統はパナマの後、パラグアイを訪問しました。

このためにアスンシオン市内では幹線道路の両脇に青天白日満地紅旗が飾られ、至る所で歓迎式典が催されました。

http://taiwantoday.tw/ct.asp?xItem=245889&ctNode=2318 http://newsok.com/article/feed/1033352 📷 左:蔡総統    右:カルテス大統領 台湾を独立国として認め、正式な国交を結んでいる国は現在僅か22カ国しかないのですが、パナマもパラグアイもその貴重な友好国に含まれて居ます。パラグアイと台湾とは1957年の国交樹立ですから、来年が60周年となる比較的新しい関係と言えます。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taiwan/data.html この訪問を当地abc紙は「Amistades verderas」(真の二国間友好関係)と報じていますが、貿易分野では隣国のブラジルやアルゼンチンを押しのけて最大の輸入相手国となっている中国との外交関係が今後どのようになるのか?に大きな注目が集まる今回の蔡総統訪問であったのです。 http://www.abc.com.py/edicion-impresa/editorial/amistades-verdaderas-1494963.html パラグアイには所謂チャイナタウンと言えるような場所はありませんが、中国人が多く集まるエリアでも、多くは台湾の人達で、この台湾人が中国大陸との貿易の懸け橋になっています。 過去においては現カルテス大統領の前任ルゴ大統領が中国との国交樹立を目指した時期がありましたが、ルゴ氏は公私混同の行き過ぎで議会から弾劾され、その後の2013年選挙で実業家であるカルテス氏が大統領に就任した訳です。(次期東京都知事も実業家でしょうか?) パラグアイと日本とは1919年に国交を結んでいますので、あと少しで日巴外交関係樹立100周年(今年は日本移民移住80周年)となる訳ですが、パラグアイと他の国の関係はどうなっているのでしょうか?台湾との国交を持っていると言う事は裏返すと中国とは正式の国交を樹立していない事を意味しています。 一方で、パラグアイは北朝鮮とも国交を結んでいます。(ペルーでも拙宅の近くに北朝鮮大使館があって、独特の雰囲気を醸し出していました。) パラグアイは南米でも小国ながら、外交における存在感は木曜日に行われたMercosur(南米南部共同市場)の会合でも十分に示されました。この会合で、次期Mercosurの幹事国としてベネズエラに順番が回ることをパラグアイ政府は拒否、民主主義の行われていないベネズエラの現状に正式に遺憾の意を表明し、左派同志で互恵関係あったアルゼンチンやブラジルとはハッキリと一線を画する態度を表明しました。 http://www.abc.com.py/edicion-impresa/politica/paraguay-rechaza-la-entrega-de-la-presidencia-del-mercosur-a-venezuela-1494628.html これは長期間に亘ってチャベス政権と後継のマドゥロ政権の圧政に苦しむ多くのベネズエラ国民を大いに勇気付ける意思表示であると言えます。 一方、残念なことにアスンシオンにあったフランス領事館は本国の外交予算不足の煽りを受けて、6月20日に閉鎖され、先週から領事業務は全面的に在アルゼンチン大使館で執り行われることになりました。 http://www.abc.com.py/edicion-impresa/politica/el-consulado-frances-cierra-sus-puertas-en-asuncion-1489611.html これは小国ゆえの経済効果の少なさが原因なのでしょう。 台湾は別名フォルモサと呼ばれますが、formosaというのはポルトガル語で「美しい、麗しい」と言う意味。16世紀に台湾を訪れたポルトガルの船員がこの地の美しさに感動してこの名が付いたそうです。 多くの国と国交が無くてもしたたかに成長を成し遂げてきた台湾のように、パラグアイも他の南米大国に迎合することなく独自の発展を見せており、いずれ南米のFormosaと呼ばれるような気がします。 ところで今週の言葉Amistadですが、パラグアイ東端の街Ciudad del Esteとブラジルの滝の街Foz do Iguaçuとを結ぶ橋Puente de la Amistad(友情の橋)が1965年の架橋以来初の大改修工事を終えて本日全面再開通しました。先にお伝えしたアルゼンチン人が押し寄せるのは南端の街Encarnacionですが、友情の橋の改修でアルゼンチンから東街への流入が増えることでしょう。 (この橋はブラジル・パラグアイ国境ですが、ブラジル・アルゼンチン国境もすぐ南の橋で渡れます。) 📷 先述の通り、今年は日本のパラグアイ移民80周年の記念の年で、これからも色々な行事が行われ、両国の友好関係が一層強化されることになるでしょうから、是非パラグアイの動きにもご注目下さい。

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